本日のマーケット
8月 30日(月) | 前日終値 | 増減 | ||
日経平均 | 円 | 27,789.29 | 27,641.14 | 148.15 |
為替 | 円/ドル | 109.83 | 109.83 | 0.00 |
NYダウ | ドル | 35,455.80 | 35,213.12 | 242.68 |
今日の東京株式市場は、反発に転じました。ジャクソンホール会議のパウエル議場の発言を聞いて、米国市場は3指数とも上昇、それを受けて、本日の日経の寄付きは280円ほど上昇して始まりました。その後、上げ幅が縮小したものの、最終的には上げて終わりました。小・中型株を中心に85%の銘柄で上昇しました。
働かないおじさんが年収2000万円、若手からの攻撃の的になってる!
会社勤めをしている人の多くにとって、給料の額は大きな関心事の一つですね。営業成績トップの社員がトップクラスの給料をもらうことには多くの人が納得するのは当然でしょうが、一方で、「高給取りなのに働かないおじさん社員」がいたりします。そうなると不平不満の声が充満してきますね。
なぜ、そのような社員が存在していまうのか、そういう不満を感じたらどうすべきなのか、考えてみたいと思います。
考えられる3つの理由
企業の人件費は基本的には予算が決まっています。人件費は費用の中でも大きなものなので、誰にそれぞれいくら払うかという計画を立てていなければ、いつの間にか、企業全体の予算をオーバーして、場合によっては赤字転落などという、目も当てられないことにもなってしまいます。
計画を立てるためには、明確な方程式に従って、誰にどれくらい支払うかを推定し、それを積み上げて人件費を決めているケースが多いと思われます。どんな企業でも、報酬を決めるステップはある程度厳密に決められており、なんとなく適当に決まっているということはないと思います。
一方で、最近ではさまざまなところで、主に中高年の社員が「働かないのに高給取りおじさん」であることに対する周囲の不満の声が聞かれます。「窓際で終日ぶらぶらしているのに年収2000万円」というような人のことを、「窓」「2000」の連想から“Windows 2000”と、揶揄する声も出ているようです。
デフレを脱却できず、何十年も停滞している今の日本で、”働かない高給取りおじさん”に支払う余裕が本当にあり得るのか、 2000万円というのは大企業の一部で庶民の我々には縁のない話かもしれませんが、 “Windows 2000”という言葉ができるくらい聞くことがあるということは実際にある程度いるのだと思います。そして当然、彼らは社内から、特に若手社員からの攻撃の的になっていいると言います。
ただ、企業も合理的でなければ、競争に敗れて存続できないので、既得権益に守られた一部の会社を除けば、基本的には、非合理な状況が長く存在することはあまりありません。そう考えると、働かない高給取りおじさんが実際にいたとしても、それは何らかの理由があるはずです。
それはどんな理由なのでしょうか。3つ挙げてみました。
【理由1】昔は大活躍していた
まず、若手社員の知らない昔、その「働かない高給取りおじさん社員」が大活躍して、会社に大きな貢献をしていたケースです。「後払い」要素の大きかった昔の評価報酬制度では、その時その時の昇給や賞与などですべてが報われることはなく、「君のしてくれた貢献は将来にわたって、ゆっくりと報酬に反映していくからね」と言われてきたのかもしれません。
そして、その「昔の大貢献」分を今もらっているのかもしれないのです。昔のツケを会社が今支払っているようなもので、今の若手は納得がいかないかもしれませんが、当の働かない高給取りおじさん視点だと「何が悪い」というのもギリギリ理解できます。
【理由2】希少能力を保持している
報酬の決まり方には「社内価値」と「市場価値」の2つの考え方があります。社員からは社内でどれだけ貢献しているのか(社内価値)は分かりやすいので、それで報酬が決まった方がよいと考えるでしょう。
しかし、転職などで労働力の流動性の高い現代においては、社内価値だけで報酬は決まらず、「その能力を持っている人は、どれくらいの報酬で中途採用できるのか」(市場価値)も報酬決定の大きな要素です。分かりやすい例は弁護士や公認会計士等々の希少資格保持者です。
彼らを採用しようと思えば、「働く、働かない」にかかわらず、相場の(高い)報酬を出すことが必要条件となります。市場価値は需要と供給で決まるので、希少能力は高い報酬につながります。ただ、それを生かせるかどうかはマネジメント次第ですし、実はそれほど必要ない希少能力なのに、その能力を持つ人を採用してしまったら、働かない高給取りおじさんとなってしまうわけです。
【理由3】平等文化、年功序列文化
最後は昔ながらの「平等文化」「年功序列文化」に起因するものです。「年を取ったら、みんないい給料がもらえるようにしよう」ということです。令和の時代、昭和的なこのような文化はどんどん消えているようにも思えますが、歴史ある企業であればあるほど、意外なくらい年功的人事制度が残っているそうです。
それは社員の同意がない限り、企業側が勝手に社員の待遇の大きな不利益改定を行うことはできないからです。バブル期入社組があと10年ぐらいでどんどん定年を迎えようとしていますが(雇用関係の法改正に伴い、定年延長の可能性大ですが)、その山を越えるまではしばらく続くと言われています。
【番外理由】会社の弱みを握っている?
私が入社した当時(30年ほど前)もそんな働かない高給取りおじさんがいました。今から思い起こせば、その方は、会社経営陣の弱みを握っていたと聞いたことがあります。おそらく会社が不祥事を起こした時、いわゆる”トカゲのしっぽ切り”で身代わりになって責任をとった人だったのではないかと思います。その方は対外的には役職もついていませんでしたが、役員並みの報酬を受けていたと聞いたことがあります。
不満を感じたらどうすべきか?
以上理由が分かっても、「頑張っているのに、自分は低い給料だ」と考えている若い人の不満の解消にはならないですよね。ただし、経験則でものを言わせてもらえば、そういう”高給取りの働かないおじさん”は理由もなく長い期間そのポジションに居座ることはなかったですよ。知らない間に消えていて、飲み会での話題にも出なくなっていました。これは、会社側が感づいて適切に配置転換をしたのだと理解しています。
また、飲み会などで後輩にこういった質問をされたときは、「あの人は昔、寝る間も惜しんで活躍していたんだよ」と擁護していたこともあります。実際その当時は、自分がそのような存在(働かないおじさん)になるとは夢にも考えていませんでしたが。
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