「コーストFIRE」とは?
役職定年になった55歳頃から、早期退職(経済的自由)を目指してお金の勉強を開始し、現在では働かないおじさんとしての地位を確立し、サラリーマン+副業が最高の生活スタイルとなっています。今回は、その中でも「コーストFIRE」という考え方について紹介したいと思います。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は、経済的自立による早期リタイアを指し、豊かな人生を送ることを目指します。FIREにはいくつかの種類があります。サイドFIREは、基本的な生活費を資産運用で賄い、旅行や趣味に使う資金を副業で得るもので、完全に仕事をリタイアするハードルは低いです。もし副業ではなく、パートやアルバイトとして働く選択をする場合は、バリスタFIREと呼ばれます。会社が半分の社会保険料を支払ってくれるため、年金を確保しやすくなります。リーンFIREは、蓄えた資金を運用して生活費を賄いつつも、生活水準を維持せずに質素な暮らしをする、いわゆるミニマリスト向けです。ファットFIREは、「生活費」と「贅沢な趣味」の両方を保証するために資産を活用する方法です。
コーストFIREとは、資産運用により「老後の生活費を確保」したうえで、日頃の生活費や趣味などの贅沢資金はフルタイムで働いた収入で賄うものです。
コーストFIREを達成するということは、退職のための貯蓄をこれ以上続けなくて良い状態に到達することを意味します。コーストFIREは支出を賄うための収入はまだ必要だが、老後のための貯金の心配はもう要らない状態に達することを指します。
複利の力の活用が重要
例えば、1億円を貯めて65歳で退職することを目標にした場合(利回り4%+年金で一般的なサラリーマンでは年収600万円程度となる)、仮に30歳から目指したとすると、元本は0円で毎月10万円の積立て投資をすれば実現できてしまいます。しかし、この世代で毎月10万円の積み立ては非現実的でしょう。
毎月の積立て額を5万円に設定して65歳時点で1億円の金融資産に育てるためには、30歳時点で1350万円ほどの貯金が必要になる計算です。つまり、30歳時点で1350万円の元本があり、それから65歳までの35年間毎月5万円ずつ積み立てて4%で運用できれば、65歳時点でミリオネア(1億円)達成です。35年後の年金額は現在より支給額は下がっているでしょうから、年金と合わせて年収600万円は難しいかもしれませんが、幸福度がサチる450万円は超えられる計算です。目標として設定するのはよいかと思います。月5万円つまり年間60万円をコツコツとS&P500などの投資信託で運用して、それ以外はすべて使うという人生はいかがでしょうか?もちろん退職金が出るのであればそれはプラスになるはずです。退職金は自分へのご褒美として全額使用しても問題ないですね。
このように退職はせずにサラリーマンは続けるけれど、人生100年時代の退職後の生活は豊かに過ごすことができる状態にしておくという考え方も良いのではないかと思います。
複利の力をつかえないアラカンリーマン
55歳のサラリーマンに当てはめてみると、55歳の時点で約6千万円の金融資産保有と毎月10万円の積立が65歳まで必要になる計算です。この計算はまだまだ教育費や住宅ローンを抱えるサラリーマンにとっては非現実的な数字です。やはり運用期間が短すぎて複利の力を発揮できないのです。
私の場合、お金の勉強を始めた55歳時点では教育費やローンもあり、金融資産は自動車購入用として貯金していた約300万円程度でしたので、かなり厳しい状態でした。自動車は新車に買い替えず資金流出を抑えたため、その分はS&P500などへの投資資金に回しました。しかし、目標のミリオネアは夢のまた夢です。年金定期便を見ると年金の支給額は年間200万円程度であり、老後年収450万円を目指すにはさらに250万円の収入源の確保が必要です。資産運用による不労所得を考えると、約6500万円ほどの運用資金が必要です。役員になっていれば現実的なのかもしれませんが、平凡なアラカンサラリーマンでは複利の力も活かせません。やはり稼ぐ力をつけて、実行するしかなさそうです。
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