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退職金を溶かした5選パート2

お金の勉強
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今月のマーケット

  12月30日(水)11月30日(月)増減
日経平均27,444.1726,830.10614.07
為替円/ドル103.14104.27-1.13
NYダウドル30,409.5629,638.64770.92

 日経平均、NYダウとも、10月並みではないが20%超の上昇。来年の飛躍に期待したい。じわじわ円高が進行しているのが気になる

退職金を溶かした事例(運用の失敗)

(その3)一時払い個人年金保険で退職金1000万円の使い方に失敗した61歳夫婦の事例

 現役時代、食品メーカーの営業職で頑張ってきた61歳のCさんのお話です。Cさんは多くの団塊の世代と同じように定年まで勤めあげました。2000万円の退職金が出ることに加え、奥様がまだ働いていたこともあり、60歳で定年退職することにしました。退職金の資産運用をどうしようかを考えていた時に、テレビCMを見て「プロに相談しよう」と考え、銀行に相談しに行きました。最初は定期預金を検討していたようですが、窓口の銀行マンから定期預金は金利が低く、十分な運用の効果が得られないとして、定期預金のような商品でもっと金利の良い商品があると「一時払い個人年金保険」を進められました。説明を聞いたCさんは定期預金より高い金利に惹かれ、退職金2000万円を使って、一時払い個人年金保険を購入しました。
 一時払い個人年保険は今の超低金利の時代にはミスマッチです。定額型の一時払い個人年金保険は固定金利の長期貯蓄なので、これから金利が上がってきそうな場合は変動金利を選ぶべきです。
 結局、Cさんは改めてフィナンシャルプランナーに相談し、解約手数料5%(100万円)支払い解約したとのことです。

(その4)外貨預金で老後資金を溶かしてしまった60代夫婦の事例

 地方都市在住の60代の夫婦の話です。夫のDさんは長年勤めてきた会社を60歳で定年退職しました。若いころから堅実に貯蓄を進めていたので60歳の退職時には退職金1000万円のほかに3000万円の預貯金を持っていました。年金受給開始の65歳までの間に5年間の無給期間ができてしまうことが少々気がかりでしたが、夫婦の共通の趣味である旅行を身体の自由が利くうちにたくさん楽しみたいという気持ちから雇用延長せずに60歳で退職することにしたそうです。退職してからしばらくは月に1度国内を中心に旅行に出かけました。しかし、1年ほどたった時、減る一方の預金残高を見て、この状況があと4年続くのかと思うと不安になったそうです。予想してきたことなのですが、実際に体験してみるとこの状況を改善したいという焦りが生じてきました。そんな時に目に留まったのが新聞の外貨預金の広告でした。そこには「外貨定期預金1ヵ月もの特別金利 年利30%」という現実離れした金利の文字がおどっていたのです。銀行預金なら安心だと考えたDさんはその日のうちに銀行に連絡して口座開設を進め、キャンペーン期間中の金利30%のトルコリラを1000万円分の預金をしたのでした。1年後には1300万円になると皮算用、万が一銀行がつぶれても1000万円は戻ってくると思い込んでいました。しかし、1年後に戻ってきた金額は1000万円を大きく下回っていたのです。金利は最初の1ヵ月のみ30%で他の期間は通常金利の4%で更に、往復の為替手数料と利子に対する税金を差し引くと収支はほぼトントン。しかもトルコリラは大きく下げてしまっていて、手元に戻ったのは800万円だったとのことでした。

(その5)マンション投資で老後資金を溶かしてしまった60代の夫婦

 60代のEさんは、地元の流通チェーンの本部に就職し、そこで奥様と出会い結婚。二人のお子様に恵まれ、仕事も私生活も充実した生活を送っていました。新車や戸建てでの購入費など出費はかさんでいったので、奥様がパートで働き始めました。子供が小さいころはお金はかからなかったのですが、大きくなるにつれ教育費がかかるようになり、運の悪いことにリーマンショックによりAさんの会社は業績不振となり、全国規模の大手チェーンに買収されてしまったそうです。解雇は免れましたが各種手当はカットとなり、給与はどんどん少なり退職金の制度もなくなってしまったとのこと。貯蓄できていない現状に焦っていた頃、新聞に載っていたマンション投資の「頭金ゼロでもマンション1室のオーナーになれる」「想定利回り7%、家賃収入年間500万円」という広告に目を引かれたEさんは、その会社の話を聞きに行きました。
 「2000万円のマンションで毎月10万円の家賃収入」「家賃保証で入居者の心配も不要」「ローンの金利が年3%」「ローンを払っても年間60万円が手元に残る」という説明を聞き、2000万円のワンルームマンションを購入したとのこと。1年後口座には60万円がたまっておりそれに気をよくしたEさんは、更にもう一室購入したそうです。
 しかし、最初の購入から3年後、「金利変更のお知らせ」という通知が届き優遇金利期間が終了したとのこと。これで利益がなくなってしまってしまい、マンションを売ろうにも1000万以下の値段しかつかず売れませんでした。マンションを持ち続けるリスクとして「家賃保証期間が終了」「物件の老朽化による賃料ダウン」「売却時の物件価格の低下」が発生します。
 不動産投資は、①安定した家賃収入が期待できる、②持っているだけで何もしなくていい、③所得税や相続税の節税効果が期待できる、などの理由で注目を集めています。しかし、預貯金と異なり、不動産投資には元本保証がないことや自然災害によって資産を失う可能性があるリスクがある、売却時には税金や手数料が発生することを頭に入れておく必要があります。不動産屋さんの言いなりになるのではなく、自分で調べてしっかり勉強することが大切ですね。不動産投資は慌てちゃいけません。

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