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シニアが陥る心の「しんどい」には理由があった

「中年の危機」(ミッドライフ・クライシス)という言葉を聞いたことはありますか? 1965年にカナダの心理学者エリオット・ ジャックス(Elliott Jaques)氏が「死亡と中年の危機(Death and the Mid-life Crisis)」の研究報告を発表してから、知られるようになりました。

 40歳前後の中年期を迎える人に現れる心理的危機や抑鬱状態、不安障害のことをいい、その先の人生に不安や迷いを感じる人を指し、中年期の80%が大なり小なり陥ると言われているそうです。
 特に男性の場合、中年の危機を緩和させようと、刺激を求めて自分を「変えよう」とします。しかし、このようなやり方は果たして適切でしょうか。また、是が非でも変えなければならないのなら、どうすれば、この危機を乗り越えられるのでしょうか。人生に悩んでいる人だけでなく、順風満帆な人でもこの時期になると心の憂鬱や無気力感を感じる人が多いそうです。昨今はコロナ禍で、さらにその傾向が強まってきているようです。

 

中年期は身体も心も問題を抱えやすい

 人生が上り坂から下り坂に入っていくまさに成人後期、人間は心の問題だけでなく、身体の問題も微妙に関係しながらさらなる下り坂に入っていくシニア世代に「ミッドライフ・クライシス(中年危機)」は起きるのだそうです。そのミッドライフ・クライシスが起きる原因を紹介します。

(1)自分の人生の頂点が見えてくる

 40代に突入し、人生の頂点が思い描いていた以上に低いことを知った途端、言葉では言い表せない絶望感が押し寄せます。これからの人生が下り坂なのは承知しているものの、自分の限界を知った時、ほとんどの人は心の憂鬱に悩まされてしまうそうです。

(2)病気が発見され、病気との闘いが始まる

 健康だった人が病におかされると、これまでのありふれた生活が突然できなくなる。日常に訪れるさまざまな困難は想像以上のストレスとなって、そのままミッドライフ・クライシスに突入してしまうこともあるとのこと。

(3)酒・賭け事・不倫…自分でコントロールできないことにのめり込む

 この時期に、アルコールなど依存性のあるものにのめり込んでいく人も多くいらっしゃいます。また、賭け事や不倫に走ってしまう人が多いのもこの時期の特徴です。ミッドライフ・クライシスの厄介なところは、多くの場合、本人が自分の不安定さを意識していないそうです。

 40歳から65歳のこの成人後期を上手にコントロールして脱出しないと、ほんの些細なことで取り返しのつかない事態が起きてしまうということを意識しておく必要があります。

(4)下り坂の向こう側に、遠くではあるが死が見え始めている

 若い時期はほとんどの人が死など意識することはないでしょう。ただ、人生の中間点に差し掛かると、人生の終わりが近づいていると、ふと感じる瞬間がありますよね。下り坂の向こう側に死を意識した瞬間、自分がこれまで何を成し、これから先何ができるのかという焦りが生まれ、ミッドライフ・クライシスを引き起こすのです。

(5)自分探しが終わらない

 思春期や青年期の間に確立しておかなければならないアイデンティティが確立できていないモラトリアム状態が続き、青春時代の憧れをそのまま引きずってしまっている。そんな人達がミッドライフ・クライシスの波を大きな波にしている傾向があるそうです。

(6)子どもが自分の元から巣立ち、「空の巣症候群」に陥る

 「空の巣症候群」は、女性に多いと言われている症状ですが、子育てを一生懸命やってきた人は、子どもが成長し、自分の元から離れていく時に、自分は何のために生きているのかわからなくなってしまうそうです。これから何をすればいいのかわからなくなってしまう、もちろん男性にもあります。生き方を迷った弱い心にミッドライフ・クライシスの闇は忍び込んでくるのです。

(7)過度なストレスを抱えたまま、オーバーワークを続けている

 私は45歳の時にうつ病に襲われました。ホームに立っていると電車に引き込まれそうになる感覚からしばらく電車に近寄るのをやめていました。結果として部署移動を申し入れて移動してから徐々に回復していきました。新事業を立ち上げ&新工場建設して赤字が続いていたので、それを一日でも早く黒字化しないといけないと管理職としてストレスを抱えてていたんでしょうね。

 自分の限界を超えた過度のストレスはミッドライフ・クライシスをこじらせる危険因子となる。

(8)人生をうまく乗り切った人が初めて「つまずき」と向き合う

 30代まではがむしゃらに仕事をこなし、パワフルに走ってきた方が危ないそうです。40代に入り、今までの仕事のやり方に迷いが生じたり、仕事の質が変化する過渡期に直面したりすると、危機に陥ることになるそうです。

 ここがミッドライフ・クライシスの難しいところで、人生が険しく、うまくいかなかった人だけがミッドライフ・クライシスに陥るわけではなく、人生をうまく乗り切ってきた人達もこの人生の中間点で不穏な状態になることがあるようです。

人生が順風満帆な人でもなる可能性がある

 じつは、40~60代の80%がこのミッドライフ・クライシスに遭遇すると言われています。40~60代の80%がミッドライフ・クライシスを迎えるというのは、まさに人生が成功している人も人生に失敗し続けてきた人も、同じようにこの時期に危機を迎える可能性が強いということです。

「シニアの危機」にどう対処する?

 中国の著名教育家・孔子はかつて「四十にして惑わず」と説きました。「40歳で心に迷いがなくなった」の意味で、つまり、40歳になれば、外的な要素に影響されることなく、自分自身が過ごしたい人生をしっかりと定めていることです。自分を「変えよう」とすれば、自分に安らぎと喜びを与えてくれる力を、うちに向けて、自分自身をより知ることによって見つけることができます。正しい態度で向き合って、Lifehackサイトの8つの対処方法を試して、中年の危機を乗り越えましょう。

1.運動する

 汗をかきましょう。毎日、少なくとも20分間運動する、または散歩をしましょう。

2.笑う

 日常に出会った人、事、物をポジティブに受け入れましょう。ポーカーフェイスを避けて、よく笑いましょう。

3.瞑想する

 瞑想(めいそう)はうつ状態と憂いを軽減し、集中力を高め、健康増進に効果があるとの研究報告が出ています。さらに、ハーバード大学の最近の研究では、座禅と瞑想は学習と記憶を司る脳の機能を高めることができ、感情をよりコントロールできることが分かりました。

4.新しいことにチャレンジする

 これまでにやってみたいと思うことを実行しましょう。例えば、長期休暇をとって、旅行に出かけるなどです。ただし、極端に走ってはなりません。自分の能力の範囲内で新しいことにチャレンジするようにしましょう。意外に視野が広がるかもしれません。

5.学ぶ

 もう一度学校に戻って勉強することや、楽器を学ぶ、外国語、文章作りを学習するなど、学ぶ環境を作ってみましょう。学ぶことから人生に対する前向きな姿勢を創り、自身の価値を高めましょう。

6.感謝する

 就寝する前に、その日の感謝に値する出来事を思い出しましょう。書き留めておくとなお良いでしょう。日常的なことで良いのです。例えば、奇麗な夕焼けを見たとか、好きな音楽を聴いたなどです。感謝することでわれわれが物事を見る角度をより広くできます。

7.オープンマインド

 年齢を気にせず、心を広くして世界を受け入れようと、毎日、自分に言い聞かせましょう。自己啓発と精神的成長の分野では、国際的知名度の高いウェン・ダイアー(Dr. Wayne Dyer)博士は自身の著作の中で、「あなた自身に無限の可能性があると考えてみなさい。ですから、固有の観念に囚われないようにしましょう」と記しています。

8.ソーシャルメディア(SNS)を離れる

 SNSが心の健康に与える悪影響は大きいのです。例えば、鬱(うつ)、不安、嫉妬、消沈、価値のない人間など、負の感情を引き起こしやすく、それに関わって、新たな問題を生じさせる可能性もあります。毎日、SNSに費やす時間は大抵長くて、見ているのは他人の生活情報だけで、自分の時間を無駄にしてしまいます。

 シニアの危機を経験するかしないか、人それぞれです。たとえそれに直面したとしても、自分自身を知る機会として、未知の自分を発見しましょう。そうすることで「危機」を「転機」に変えてより充実な人生を過ごしましょう。

ミッドライフ・クライシス (青春新書インテリジェンス) [ 鎌田實 ]

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