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働かないおじさん、退職金を資産運用に回すときの注意点

お金の勉強
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本日のマーケット

  8月 18日(水)前日終値増減
日経平均27,585.9127,424.47161.44
為替円/ドル109.78109.570.21
NYダウドル35,343.2835,625.40-282.12

今日の東京株式市場は、5日ぶりの反発となりました。NY市場は6日ぶりに反落しましたが、日経は4日連続下落の反動の買戻しの動きがあり、更にアジア株式市場も堅調だったこともあり、幅広く買い戻されたようです。65%の銘柄が上昇しました。

退職金は資産運用に回すべきか?

 人生100年時代、老後の2000万円問題、今後の公的年金制度など、老後(セカンドライフ)の資金問題は今後も消えることなく、議論され続けることになると思われます。その中で、つみたてNISAやiDeCoなどの資産運用で退職後の生活資金の不足を賄うことが言われています。今回は、シニア退職時に支給される退職金を資産運用に回す際、考慮しなければならない注意点をお伝えしたいと思います。

資産運用でお金の寿命が延びる?

「定期預金だけでは増えない時代だからこそ、資産運用を行うことでお金の寿命を延ばしましょう。」

 このフレーズを聞いた方は多いかもしれません。特に銀行や証券会社の窓口などで囁かれたと思います。確かに、以下の例を見ていただくと、運用しない場合と想定利回りを3%とした場合では、同じ金融資産の残高であっても、金融資産が底をつく年齢が異なります。

【設定条件】 金融資産:2,000万円/毎月の取り崩し額:10万円/65歳から取り崩し開始

想定利回りによって何歳で金融資産が底(ゼロ)をついてしまうのでしょうか?
     ※複利計算、税金等の諸費用は考慮していません。

・ 想定利回り0%(運用しない)⇒81歳8か月(16年8か月)

・ 想定利回り1%       ⇒83歳3か月(18年3か月)

・ 想定利回り3%       ⇒88歳2か月(23年2か月)

 上記はあくまでも想定利回りを確保できた場合です。この想定利回りは資産運用を始めることで誰でも得られるものではありません。

それでは、次にこれまでの資産運用の経験の有無に応じて注意点をご紹介します。

これまで資産運用の経験が「ない」場合

 退職金が支給されると同時に金融機関や投資商品を販売している金融機関等から、資産運用に関する勧誘や提案を受ける機会が多くなります。会社紹介の金融機関から勧誘されるケースは、無条件でその商品を肯定(思考回路停止)してしまう可能性がありますので、充分注意をお願いします。

 一定の金融資産を保有していることから、シニア退職者の年代層は、金融機関など営業のターゲットになっていることはご存知かと思います。また、周りやニュース、ネット上などから資産運用で成功している人の話を聞くこともあるでしょう。更に会社紹介の金融機関からは、名前を聞いたことがある先輩の事例を提示されて勧誘してくるケースもあると聞きます。
 しかし、資産運用は第三者から提案や勧められて開始したとしても、その後の運用成績には責任は取ってくれません。あくまで、資産運用という「航海」のスタート位置に誘導しただけです。

 おいしい話は向こうからは決してやってきません。

 その後の航海については波の状況を判断しながら自ら舵を切っていく必要がある訳です。その時には、航海の経験が物を言う時が多いものです。第三者から提案や勧められる時には、メリットだけでなくデメリットも自ら確認する必要があります。そして、しっかり自分で咀嚼する必要があります。購入時点ではメリットのみに意識が集中してしまい、いざ購入した後にデメリットを明確に認識する場合も多いです。

 これまで資産運用の経験が「ない」場合の方が退職金を資産運用に回すことに対して否定はしません。しかし、開始時は大きく減少してしまった場合でも今後の生活設計が大きく変化しないぐらいの金額(少額)に留めていくことが鉄則だと思います。

 また、収益率(利回り)も5%以上など大きな収益率を求めるのではなく、値動きが分かりやすいシンプルな投資商品で知識や経験値を積むことを最初の目的としてスタートさせましょう。利回りの高いものは、それだけリスクも高いものです。退職金を投入した直後に暴落などに遭遇してしまうと「パニック売り」をしてしまい、投資(資産運用)市場から、自ら退場してしまう羽目になるケースが多いようです。

 徐々に慣れてくることで、金額を増やすなど次の戦略を考えましょう。山登りで例えると、未経験者がいきなりエベレストに登山することのないようにしてください。まずは、高尾山から登ってみることを強くお勧めします。
 資産運用市場から退場せず、この市場に生き残ることこそが、資産形成に重要なことと言います。

これまで資産運用の経験が「ある」場合

 資産運用特有の値動きに慣れており、長年投資をされているのであれば、過去の大幅な下落時期も経験されていることでしょう。荒波を乗り越えられてきた経験は老後の資産運用でも活かされます。

 しかし、退職金が入ったことで資産運用の金額を増やす場合には注意が必要です。価格変動幅が大きくなるからです。

 例えば、これまで200万円を資産運用に回していた方が1,000万円に増加させた場合、資産運用の金額が増えれば増えるほど収益率も高くなります。一方で一時的にも損失が発生するとなると含み損も含めた損失額が大きくなります。-10%の含み損が発生している状況ですと、運用残高が200万円であれば-20万円ですが、これが1,000万円になると-100万円になってしまいます。-100万円となると、目の前の100万円の札束が消えたわけではありませんが、数字上の値動きだけでそれが一時的であったとしても、精神衛生上よくありません。

また、多額の退職金は一生のうちに何度も支給されるものではありません。

したがって、現役時代と比べると、大きな損失を確定させてしまうような状況になった時には、その損失を取り戻す機会や時間が限られてしまうことも、頭の中に入れておきましょう。現役時代と異なり、リカバリできる収入源は限られているので、大きな損失とは縁を持ちたくないですよね。

自ら「選択・判断・行動」を、第三者の提案には注意!

 これまでの投資経験の有無に関係なく、資産運用は年代に関係なく必要な時代になってきていますが、「資産運用=全員が収益を得られる」ではありません。必要以上に恐れる必要はありませんが、自らの足で「選択する・判断する・行動する」の3つを行いたいところです。特に自ら思考停止させて、第三者の意見で貴重な退職金を運用するようなことだけは避けたいと思います。

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