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働かないおじさん、業務委託契約?会社の都合よい存在になるな!

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本日のマーケット

  8月 24日(火)前日終値増減
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為替円/ドル109.71109.680.03
NYダウドル35,335.7135,120.08215.63

今日の東京株式市場は、続伸となりました。米国NY市場が高く戻ってきており、更にNASDAQは市場高値を更新していることが影響しているとみています。25日の移動平均線を回復しております。

フリーランスは会社員より自由?安易に選ぶと痛い目に合う?

 働き方改革、そしてコロナ時代……。「新しい働き方」というどことなくキラキラした耳触りのいいフレーズに惹かれ、「フリーランス化」する人が増えてくると予想されます。または、フリーランスだか何だかよくわかっていないまま、収入が増えるなどの理由で「業務委託契約」に変更する人も現れるのではないかと思われます。

 結論から申し上げると、社員にとっては安易なフリーランス化は損になる可能性が高いと言います。逆に、会社にとっては社員がフリーランスになってくれることでお得がいっぱいあります。

 フリーランスになるということは、起業することと同義です。たとえ今の会社から仕事をもらえるといっても、「起業家」という志、気概、知識を持っておかないと、「こんなはずじゃなかった」があちこちで発生します。また、今までの「メンバーシップ型雇用」という人材を育てて仕事を与えるやり方から、転勤や部署異動がなく、既にある仕事に人を充てる「ジョブ型雇用」への転換や、副業可の拡大、これらも会社員の大量フリーランス化への布石と考えることができます。

 希望する社員は「個人事業主」として独立させ、今まで通りその会社の仕事を「業務委託」で発注する大企業も出てきています。知らない人がいないような大企業が導入している制度となれば、追随して中小企業でもどんどん導入してくる可能性があります。提案される前に、会社員として最低限の知識は持っておくべきと思い、その概要を紹介してみます。

会社の本音と建て前を見抜けるか?

 「労働契約」「雇用契約」から「業務委託契約」へ変更しないかといわれた場合にまず知っておきたい、会社側の本音と建て前があると言います。

 残業イコール悪という風潮が社会全体に広がってきていることは、誰もがお気付きのことと思います。ひと昔前には当たり前だった「サービス残業」などが労働基準監督署に指摘されてしまえば、過去に遡って該当社員全員に未払いの残業代を払う事態にもなりますし、会社が潰れかねない時代なのです。そこで、会社はとにかく「帰さなくてはならない」、社員は「帰らなくてはならない」という空気ができている、これが通常の会社です。

 しかし今でも、特に零細企業には「ウチの業務が8時間で終わるなんてあり得ない」「ウチの規模で残業代なんて」という社長も山ほど存在します。労働者も「ウチの業種は仕方ない」「残業代なんて大手でもないのに出るわけない」という考え方を持ち続けているケースが多く見られます。会社も労働者も「ブラック企業」を自覚しつつ、当たり前のように受け入れているのです。

 会社側に法定労働時間で労働者を退社させることや、時間外労働に対して割増賃金を払う義務を課しているのは「労働基準法」です。つまり、労働基準法が会社を苦しめているという考え方の経営者も多いのが現実です。そこで、労働基準法から解放されるための完璧な方法は「労働者を雇わない」こと。つまり、人材が必要なら「外注」すればよいという考え方です。在籍している雇用契約の労働者を業務委託契約の個人事業主に変更させれば、労働時間や残業代という概念も消えてなくなります。

 この方法を推し進める会社は、労働基準法逃れが本音である可能性は極めて高いです。しかし、そんなことは表立っていえることではないので、建て前としては「時間に縛られない自由で新しい働き方」と説明されるのが一般的となっているのはお分かりになりますよね。

徹底的に考えるべき2つのこと

 そこで、「建て前」を掲げて、雇用契約から業務委託契約への変更を提案された場合には、次の2点を徹底的に考えるべきだと思います。

(1) 本当に自由なのか?

1)指揮命令されることはないか。個人事業主ならば、上司や社長に指示をされる関係ではなく、会社と並列の事業主同士の関係となるはずです。

2)通常の出退勤時刻を強制されていないか。例えば、何時~何時のコンペでプレゼンをするなどの受注をすれば別ですが、通常の出勤時刻に出社する必要はないですよね。

3)自分の名刺を持ち、他社の仕事も受注できるか。会社の名刺に縛られることなく、自分自身で他社の仕事も受注することができるのかをしっかり確認しましょう。

 上記の点で社員時代と何ら変わらないのであれば、労働基準法から逃れて都合良く使われているだけの可能性があります。

(2) 自由の代償に耐えられるか?フリーランスになった場合のデメリットです。把握しておく必要があります。

・契約期間が1年更新などで、簡単に契約解除されることがある。
・退職金制度はない。
・どんなに時間がかかっても契約した報酬しかもらえない。
・病気・産前産後・育児・介護休暇、有給休暇はなくなる。
・家族を社会保険の「扶養に入れる」という概念がなくなる。
・仕事のために事故に遭ってケガをしても死亡しても労災保険はない。
・過労死という概念がない。
・失業しても雇用保険の給付は受けられない。
・病気やケガで働けない場合でも、健康保険の傷病手当金を受けられない。
・厚生年金がないため、老齢年金・障害年金・遺族年金の額が下がる。

 今までと同じ業務内容であれば、今までよりはるかに多い報酬を受け取らないと見合わない可能性が高いです。上記項目の金銭価値を報酬に盛り込めるくらいの知識と交渉力が必要なのかもしれません。

「都合のいい存在」になってはダメ!

 既に、雇用契約か業務委託契約かを巡っては、裁判も起きています。例えば、クラブなどのママ、ホステス、キャバ嬢をオーナーが業務委託契約で採用しているケースで、実態としては労働契約だったとしてオーナーが負けたケースもあります。

 大企業であれば、これらの対策は講じた上でフリーランス化を推奨すると想像しますが、グレーゾーンの業務を都合よく委託契約に変更する会社も増えそうな気がします。今までと同じ業務をするにもかかわらず、上司から指揮命令をされなくなる? 本当に出勤は自由? など、細かく確認することが重要と思います。何も起業やフリーランスという働き方自体を否定しているわけではありません。自分にとって幸せな働き方ではなく、会社にとって都合の良い働かせ方としてのフリーランス化促進が懸念されます。全てを理解した上で、育児や介護や自身の療養などのためにこれらの働き方を選ぶとか、意志と知識を持って起業するというのであれば良いのですが、「フリーの方が自由だし今よりちょっと多く稼げそうなんだよね」くらいの気持ちでは会社にとっての都合のいい存在になってしまうと思われます。

 そんなことのないように、今後あり得る新しい「会社との付き合い方」として、フリーランス化、つまり、業務委託契約への変更について知っておくべき時期がきていると思います。

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