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リスニングの壁 ― 英語が音楽にしか聞こえない

還暦からの英語挑戦記

TOEICを受験して、自分の現在地ははっきりしました。
結果は340点。ショックというより、「ここから始めればいい」というスタート地点の確認でした。ところが、実際に英語学習を進めてみると、すぐに一つの壁にぶつかりました。
それがリスニングです。

そのため、私はNHKラジオの「基礎英語1」と「基礎英語2」を毎日聞き始めました。一度ではまったく理解できないので、同じ放送を三回ずつ聞くようにしています。

しかし正直に言うと、最初に聞いたときはほとんど理解できません。英語は言葉として聞こえるというより、ただの音の流れのように感じます。まるで音楽を聞いているようでした。リズムや抑揚は耳に入ってくるのですが、意味はまったくつかめません。

そんなとき、ふと弱気な考えが頭をよぎります。「聞こえないのは、年齢のせいなのだろうか」60代になれば、耳も若い頃ほど敏感ではありません。英語が聞き取れないのも、年齢のせいにしてしまえば気持ちは少し楽になります。


けれども、しばらく考えているうちに、別の可能性にも気づきました。もしかすると、耳ではなく、脳が英語の音に慣れていないだけなのではないか。

そう思い直して、同じ音声を二回、三回と繰り返して聞いてみます。すると不思議なことに、最初はただの音だった英語が、少しずつ言葉の区切りとして聞こえてくる瞬間があります。

ほんのわずかな変化ですが、それが小さな手応えになりました。


同時に、私は文法の復習も始めました。使ったのは『中学英語をひとつひとつわかりやすく』という本です。その勉強の中で、思いがけないことに気づきました。

日本語の動詞は、基本形がすべて「う段」で終わるということです。

読む
書く
走る
する

どれも語尾が「う段」の音になっています。恥ずかしながら、私はこの基本をすっかり忘れていました。英語を学び直しているつもりが、日本語の仕組みをもう一度学び直しているような感覚でした。英語の勉強は、外国語を覚えることだけではないのかもしれません。自分の母語を見直すきっかけにもなるのだと感じました。


英語はまだ、音楽のようにしか聞こえません。それでも私は、今日もラジオを繰り返し聞いています。聞こえないからやめるのではなく、聞こうとする自分を続けてみようと思ったからです。英語が音楽にしか聞こえなくても、いつかその音が言葉として聞こえる日が来る。

そう信じながら、私は中学英語からもう一度やり直しています。


次回は、英語学習を「中学英語からやり直す」と決めた理由について書いてみたいと思います。


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→ 還暦からの英語学習② TOEIC340点の現実

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