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シニアおじさんの退職金投資失敗、三つの勘違い!

お金の勉強
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本日のマーケット

  7月 13日(火)前日終値増減
日経平均28,718.2428,569.02149.22
為替円/ドル110.41110.350.06
NYダウドル34,996.1834,870.16126.02

 今日の東京株式市場は、続伸となりました。75%の銘柄が上昇、米国の長期金利上昇リスクが低減し景気減速リスクがやわらいだ結果、最高値更新となった影響を受けたようです。一方、新型コロナ変異株の感染拡大を嫌気して空運、陸運、サービス業などが値下がりしました。

投資の経験のない人が退職金をもらっていきなり投資を始めると失敗する。

 投資の経験のない人が退職金をもらっていきなり投資を始めると失敗することが多いと言います。この理由は三つの大きな勘違いがあるようです。そして、この勘違いはよほど気を付けないと逃れることが難しく、そこでどういう勘違いが存在するのかを紹介した上で、逃れるためにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。

勘違いその(1)公的年金だけでは生活していけないのでは?

 多くの人は実際に公的年金を受け取り始める65歳までは、その仕組みや支給金額についてあまりよく知らないことが多いそうです。特に数年前に話題になった「年金2000万円問題」のような大きなミスリードによって、「年金だけでは生活できない」と思っている人は多いのだと思います。

 ところが、これは大きな誤解であす。自営業者なら公的年金だけで生活するのは苦しいと思いますが、サラリーマンを退職した人であれば、必ずしも公的年金だけで生活できないということはないのです。

 2019年に行われた「国民生活基礎調査の概要」(厚生労働省)によれば、所得に占める公的年金の割合が100%という世帯は48%となっていますので、全世帯の約半数は公的年金だけで生活をしているという結果となっています。さらに所得に占める公的年金の割合が8割以上という世帯も加えるとその割合は60%を超えています。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf

 そのあたりの状況が正確に伝えられないままに金融機関がいたずらに年金不安を煽り、投資に誘引して金融リテラシーの低いおじさんたちに手数料の高い金融商品を売りつけようとしているのが実情なのだと思います。しかしながら、投資はそれほど簡単でも甘いものでもないですよね。きちんと勉強し、正しく理解した上で始めないと失敗する可能性は極めて高いですし、年金が足りないからといって、退職金という老後の重要な生活資金をいきなりリスクの高いものにまとめて投資をするというのは、明らかに大きな勘違いといえるだろうと思います。

勘違いその(2)退職金は余裕資金だから大丈夫!

 これも定年退職して退職金を受け取った人が陥りがちな勘違いです。退職金を「余裕資金」であると考えてしまうことが大いにあるようです。でも多くの人にとって退職金は老後の大切な「生活資金」なのです。サラリーマンをやっている時は毎月決まった日には給料が振り込まれます。このお金が生活の原資ですし、時々足らなくなることがあってもそれはボーナスを充てたりしていましたので、生活資金の大部分は給料でまかなえていましたよね。そんな状況のところへまとまったお金である退職金が振り込まれると、そのお金はすぐに使う予定のない「余裕資金」だと思ってしまう人が多くいらっしゃるのはある意味仕方がないかもしれません。

 シニア退職した時点で金融資産を5000万円とか1億円も持っている人であれば、たしかに退職金は余裕資金だと考えてもいいでしょうが、普通のサラリーマンではそんな人はまずいないですね。だとすれば、退職金は決して余裕資金などではなく、老後の生活資金や、将来の介護・医療のための費用、そしていずれ高齢者施設に入ることになるかもしれない場合の入居費として確保しておくべきお金と考えるのが理にかなってますよね。

勘違いその(3)投資は簡単で誰にでもできるものさ!

 そして三つめの勘違い、それは「投資を甘く見てしまうこと」です。退職するまで投資経験の無い人の中にはもともと投資には興味もないし、投資は好きではないという人が結構多いです。「株をやるやつにロクなやつはいない」とか「あんなものは、ばくちだ」と考えているようです。

 もちろん投資には興味もないし、そういうことはやりたくないという人が生涯にわたって投資と関わらないのであれば、それはそれで別にかまわないと思います。しかし問題は、そんな人が退職金をもらって急に「このお金を増やしたい」と欲を出し、まとまった金額で投資をしてしまうことにあります。

 投資というのはそんなに簡単なものではないです。リスクと向き合う覚悟が必要だし、ある程度勉強することは欠かせません。ところが投資を甘く見てきた人は簡単にもうかるのではないかと勘違いをしてしまうようです。特にこの10年ほどの間はマーケットが好調だっただけに「投資すればもうかる」という風潮が蔓延しているようにも見えます。

 銀行や証券会社などの金融機関もそんなことは百も承知だから、退職者には熱心に投資を進めてきます。退職者というのは金融機関にとっては最高のお客なのである。なぜなら(1)まとまったお金を持っている、(2)その割に投資の知識はない、(3)でも、もうけたいという欲だけはある…とまあこういうことだから、あの手この手を使って投資に誘い込もうとするのは当然だ。一番効率の良いお客なのだから、いわゆる「カモネギ」ですね。

 このように、シニア退職者が退職金を手にしてそれまでやったことがない投資を始めると失敗する可能性は極めて高いです。
 とはいえ、投資をやること自体が悪くはないと思います。ただ経験の度合いとか資金の性格を考えて投資のやり方を少し考えた方がいいのではないかということなのです。

積極的にもうけようとするのではなく購買力を維持すること

 投資の目的は大きく分けて二つあります。1つは「積極的にリスクを取ってもうけようというやり方」、そしてもう1つは「自分のお金の購買力を維持する」ということです。前者は、投資経験のない退職者にとってはあまり向いていないと思います。前述したように他にも十分な金融資産を持っていて、退職金そのものが完全な余裕資金という位置付けであるなら、こういう積極的にもうけを狙うということはやってもいいかもしれませんが、投資経験に乏しいとか、退職金自体は将来の生活、医療、介護といった事態に備えるという考え方であれば、後者の「お金の購買力を維持する」というスタンスで投資をするのがよいと思います。。

「お金の購買力を維持する」というのは、将来物価の上昇があってもそれをカバーできるようにするということである。公的年金は基本、賃金や物価に応じてスライドするのであまり気にする必要はないが、今自分が持っているお金は何もしなければ将来インフレになった時に価値が下落してしまう。購買力を維持するというのは、つまりお金の価値を維持するということです。

 具体的には、世界中の株式に少額で積み立てをするなど、グローバルに分散投資をすることです。もちろん価格変動のリスクはあるものの、日本とかアメリカとか中国といった特定の国に投資するのではなく、世界中の株式市場に対してその規模の割合に合わせて分散投資するわけですから長期的には世界経済全体の成長を享受することができることになります。今の時代はそういうことがごく少額の金額でできる投資信託がたくさんあるのです。

 お金の購買力を維持することを一番の目的にするのであれば、この方法が最適だと思いますので、是非、投資の勉強と経験を少額から始めてみるのが良いと思います。

 いずれにしても退職金というまとまったお金を手にしたことで気分が高揚し、よく考えずに「増やしたい」という気持ちだけで投資することだけは避けるべきだと思います。

 そして、退職金投資家初心者がやってはいけないのが、銀行や証券会社の窓口に行くことです。銀行や証券会社にとって良い商品(手数料が2~3%と高い)を買わされる羽目になること間違いなしです。
 楽天証券やSBI証券などのネット証券の利用を強くお勧めします。インデックス(全世界)投資信託の平均的な利回りが4~6%ですから、利益の半分を持っていかれることになります。ちなみにネット証券であれば、0.1%程度のものを選べます。

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