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本日のマーケット

  3月 24日(水)前日終値増減
日経平均28,405.5228,995.92-590.40
為替円/ドル108.87108.570.30
NYダウドル32,423.1532,731.20-308.05

 今日の東京株式市場は、4日続落となりました。92%の銘柄が下落しました。下げが止まりません。NYダウも安かったですし、状況が変わってきた雰囲気を感じます。テクニカル的にも2月と3月でツートップを形成していることより、今後の展開が厳しいことが予測されます。

50代からの資産形成で焦ってしまう人が陥る罠

 「50代から老後資金作りを始めるのは遅いのだろうか」――。これまで老後の資産形成を意識したことがなく、いざ老後を考えたとき、こんなふうに不安を感じる人は多いですよね。

 今までお話してきた通り、家計を整えた上で毎月貯金をしつつもiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどを利用して投資信託の積み立てをしていけば、それまでの貯蓄などの状況にもよりますが、そこそこの老後資金は作ることができます。しかしながら、その道にたどり着くのは容易なことではありません。

 資産形成に取り組み始めた当初は、ほとんどの方が「せめて今よりも少しでも多く老後資金ができれば」というように謙虚に考え、努力されています。しかし、努力してコツコツやっている途中で「投資」についての考え方を履き違え、欲が出て自ら失敗の可能性を高めてしまう人もいるようです。会社員としての収入を得ながら資産運用ができる期間が残り少ないという気持ちの焦りも拍車をかけるのでしょうか。

 確かにうまくいけば予定よりも資産を多く増やせるかもしれませんね。しかし、この先収入が少なくなってしまう中で資産を減らす可能性が高い投資を選択するということは、今後の生活を維持する上でもリスクが非常に高いことですね。

こつこつしていたのに…55歳会社員がハイリスク商品に手を出したワケ

 「老後資金を作りたい」と資産運用をはじめた会社員のAさん(55歳)の事例を紹介しましょう。運用開始当時は貯金が400万円ほどでした。60歳の定年時に受け取れる退職金は700万円ほどです。合わせると約1100万円の老後資金が準備できると見込んでいました。更にこの老後資金を減らさないように再雇用で働くつもりでいましたが、年金生活で不足する生活費などを考えると、やはり2000万円くらいは持っていたいとのことことで貯金を増やし、投資信託の積み立て投資にもチャレンジすることを目指し、まずは家計改善に取り組みました。

 試行錯誤しながらも、家計の支出を見直し余裕ができたAさん、奥様の分も合わせると、iDeCoやつみたてNISAに月10万円をなんとか拠出できるようにまでなりました。ネットで積み立てシミュレーションをしてみると、10年継続して3%の運用益を出せれば、この10年ほどで約1400万円の資産が作れることがわかりました。そうすると貯金、退職金と合わせて2500万円の老後資金ができる計算となります。

 当初の希望より多く老後資金を準備できる可能性を知り、Aさんは期待しました。毎月しっかり家計をやりくりし、しばらくは、投資を積み立て、目標に向かってこつこつとやりくりしていました。

 しかし、いつの間にか、「頑張れば2500万円もの老後資金が作れる」から、「今のままだと2500万円しかできない」というように目標値が変わっていったのです。目標値が変わると同時に投資商品も、当初の「インデックスファンドで長期投資」から、個別株やFX、マイナーな仮想通貨などハイリスク・ハイリターンを狙うものに変わっていました

長期・分散投資に焦りは禁物 50代でも鉄則は同じ

 こうしたリスクの高い商品は「うまくいけば資産を大きくできる」こともありますが、Aさんの現状はプラスどころかむしろマイナスの評価額。今のままでは予定していた2500万円の老後資金も危うい状況です。おそらくAさんは、1年、2年と経過しても大きく増えることがないインデックスファンドの積み立て投資を魅力なく感じたのでしょう。投資を始めると色々なメディアや知人たちの会話から、個別株などで大きくお金を増やしたなどと雑音が聞こえてくるものです。

 50代も後半となり、収入を得られる時期があとわずかと思うと、焦りも感じたのかもしれません。そうした中で、きっと増えるだろうと楽観的に考えて知識が十分でないままにリスクの高い投資をしてしまったようです。

 このままリスクの高い商品を保有し続けても、資産が増えるか減るか、気が気ではない時間を過ごすだけですね。会社に行っても株価が気になって、スマホをもってトイレにこもる日々が続くのではないでしょうか?また、投資初心者あるあるですが、焦ってマイナス評価の時に手放してしまうことをやってしまうかもしれませんし、将来的にはインデックスファンドの積み立て投資で予想できた資産額よりも資産が少なくなってしまう可能性も十分にあります。

 定年が見えてくる年代の方には、Aさんのように急いで資産を増やしたいと焦ってリスクの高い投資に手を出してしまう人もおられるようです。以前より言われている退職金を元手にまとまった投資をして溶かしてしまった」という例がなかなかなくならないことにも、そうした背景があるのでしょう。

 資産形成のために長期・分散投資を用いれば、すぐにその成果を感じにくいのが普通です。ただ、5年、10年、20年と継続していれば、次第に資産が増えていき失敗する可能性も低くなってくるものです。おじさんになってから始めるのであっても、それは同じです。くれぐれも投資に慣れていない人は、資産形成の方法や取り組む順番を間違えないように時間分散、銘柄分散、リスク許容度に見合った金額の投資ができるよう勉強を始め、経験を積むようにしていきましょう。

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